あなたを愛し、わたしを愛する~日々の備忘録~

ロリショタを慈しみながら日々のことも徒然に書いてこうと思います。

高槻枝織について考えたこと

最近Netflixで「キラキラ☆プリキュアアラモード」を見ていることについては昨日ブログに書いた。

 

プリアラと並行して「少女革命ウテナ(1997)」の「黒薔薇編」と言われる14話~23話も見直している。(専ら黒薔薇編の重要人物である御影草時の顔面を眺めたいだけであるのだが)

 

見直していて改めて高槻枝織というキャラクターについて思うところがあったので今回はそれを書き留めておく。ネタバレばんばんしてるぞ注意⚠

 

 

高槻枝織は黒薔薇編17話「死の棘」に初登場する。

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しおり

生徒会メンバーのひとりである有栖川樹璃の幼馴染で、再び学園に戻って来た。樹璃は生徒会の一員でありフェンシング部のキャプテンであり、かつモデルにスカウトされるような美貌の持ち主だ。枝織はそんな樹璃に友情と嫉妬の入り混じった複雑な思いを抱いている。

一方樹璃は枝織に密かに想いを寄せている。彼女の写真の入ったペンダントをいつも大事に制服の下にしまっているのだ。

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じゅり

 

 

さて、高槻枝織というキャラクターは、視聴者から相当嫌われているようだ。確かにアニメで描かれた彼女は樹璃に嫉妬し、彼女より優位に立つためだけに樹璃を好いていた男子を奪ったり、樹璃が密かに想っていた相手が自分であると知ると「私は彼女に勝った!!」と喜びをにじませ、かつその愛情に嫌悪を抱いたりする。

これには少なくない視聴者が有栖川樹璃のことを好意的に見ているというのも関係があると思う。かくいう私も樹璃さんが大好きだ☺☺

枝織と樹璃の物語はアニメ第3部に当たる「暁生編」にも再び描かれる。これは28、29話の2話構成で、しかも枝織と樹璃の関係に新たな登場人物、土谷瑠果を加え、より深い愛憎劇が繰り広げられる。(この話はこの話で大好きなのですが複雑になるのでここでは割愛)

 

話を17話に戻す。めっちゃ脱線しちゃうから長くなっちゃうんだよね、巻きでいくわ。

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るか

 

初見、この話を見た時、樹璃さんが同性愛者という驚きの方が先にあって実はあまり枝織のことを何とも思わなかった。

まぁ、幼い頃から隣に光り輝く人気者がいたらコンプレックスよなぁ、とかそれなのにそのひと(樹璃)はいつも枝織を守ってくれる王子様のような存在なんて複雑よなぁとか。

 

改めてみた感想も、だいたいそれと同じなんだけど、告白昇降室*1での枝織に絞って考えた。

 

枝織は樹璃のペンダントの中身を知る。自分である。そこで枝織は樹璃が枝織を想っていることに気付き勝ち誇る。ここの枝織は、「恋は惚れた方が負け」という恋愛の言葉を見事に踏襲している。樹璃の隣では「負け組」だと思っていた枝織は樹璃からの好意によって初めて勝利する。

 

樹璃さんはとてもやさしくしてくれました。でもそれは私のことをばかにして地味でとりえのないあたしに同情して優しくしてくれるんだって…

そう思ってました。そんなの惨めです。(中略)

でも今は…今は私はあの人と対等…いやあたしが勝った

樹璃さんの心の中にはいつもあたしがいた 勝ったのはあたしだ。

あぁどうしましょう!お友達の秘密を知ってこんなにうれしくてたまらないなんて

あの人こっそりあたしの写真を見て一人で悩んでたんだ。あの樹璃さんが。かわいそうに。 (少女革命ウテナ17話より)

 

勝ち誇る枝織。私が気になるのは次である。

 

だめ!やっぱりだめよ!あなたがそんな目であたしをみてたなんてどうして?どうしてこんなことになってしまったの?  (同上)

 

先ほどまで樹璃へ勝利したことに喜んでいた彼女が突然の拒絶である。ここは、言葉通り樹璃の枝織への想いに対する拒絶だと思っていた。でも、枝織が「だめよ!」と拒絶しながらその言い方が芝居がかっているように聞こえたのである。

 

つまり、この①→②へのセリフの中で「樹璃に勝った!」という喜びから「樹璃は私のことをそんな風に見ていたんだ」という嫌悪に変わったのではない。拒絶はポーズであり枝織は樹璃への勝利の気持ちの気持ちの方が大きく、ただ悲劇のヒロインぶってるだけなのでは?と思ったのだ。もちろん枝織は異性愛者であり、樹璃の気持ちを受け入れることはない。樹璃からの想いへの戸惑いももちろんあっただろう。

 

ただ、枝織は樹璃への嫉妬から彼女に勝ちたいという思いをずっと抱えていた。その思いが樹璃からの好意に対する嫌悪を越えたので①から②で感情が変わることなく優越感にひたりつづけた…ということではないのか?と思ってしまった。

 

最後、「人が変わったみたいだね、枝織さん」というウテナに対してアンシーが「あの人は変わってませんよ、全然」と返す。決闘の前後での枝織のことかと思っていたけれど、決闘の前から、すなわち告白昇降室の前後でも変わっていないキャラクターという意味かなって思い直した。闇堕ちさせる部屋の前後でも変わってないってさすが御影草時に「虫の毒」呼ばわりされるだけある。

 

高槻枝織は悪か?

ここまで枝織のことを結構悪いタッチで書いてきた。嫌なヤツだ。樹璃さんが素敵なので余計にそう見える。でも、好きじゃないけど、人間の、女の嫌なところを余すことなく出しているのが枝織の良いところだとも思う。樹璃さんやウテナよりよっぽど人間らしい。私は樹璃さんが大好きで素敵♡って思うけど、きっと「有栖川樹璃」にはなれないし、近しいのは枝織の方だと思うのだ。

あんまりまとまらんくなった〜また修正かける

*1:黒薔薇編におけるキャラクターが闇堕ちする所