あなたを愛し、わたしを愛する~日々の備忘録~

ロリショタを慈しみながら日々のことも徒然に書いてこうと思います。

私を捕らえて離さない吸血鬼モノについて

 

先日、池袋のジュンク堂に行ってきました!

7、8階くらいフロアのある大きな本屋さんで、久々に本屋さんに行けた満足感すごかったな~

その日は、ほぼ数か所の本屋さんに行って終わったんだけど、めちゃくちゃ充実しててやっぱり本屋さんが、紙の本が好きだなって思った日でした(´▽`*)

 

そこで買った本を読み終わったのでその感想も込みで記録しようと思います。

 

買ったのはこれだ!小野俊太郎著『ドラキュラの精神史

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いやぁあ素晴らしく読み応えのある本でした。「成程ね!!!」とか「まじかぁ…」みたいな相槌入れながら読む本は久しぶり(笑)

それほど知りたかったこととか疑問点を総括してくれてるような本で勉強になった…まじレポート書けるんだがww

 

なんでこの本を手に取ったかというと、大学の「アメリカ文化・文学」のゼミで『トワイライト~初恋~』という映画で発表かつレポートを書いたことがあるからです!!

 

このトワイライトって作品は高校生の女の子・ベラがヴァンパイアの美少年・エドワードと出会い禁断の恋に落ちていくというお話。私はこの作品が原作小説から大好きなので、アメリカ映画じゃん書けるじゃんみたいなノリで発表の題材に選んだ覚えがあります。

発表の内容自体は「フェミニズムでトワイライトを見る」みたいな感じで進めていったはず(あんまり覚えていない)ですが、ここで吸血鬼モノを扱うんだから、やっぱり本家読んどかなな…と思ってブラム・ストーカー作『吸血鬼ドラキュラ』を初めて読んだのです。

ゴシック小説なだけあって怖いのは怖いんだけど、書簡体を巧みに使ったり(小説自体書記という設定)、登場人物たちが高度な心理戦を繰り広げたり、冒険活劇モノとしての側面も強かったり…と中々面白かった。

(私の一番のツボはドラキュラ伯爵のお城には人間の召使がいないので、主人公ジョナサンの御者を務めたりベッドメイキング、食事、すべてかいがいしく一人で世話をしてたところです(笑) 伯爵怖いんだけど、それ考えると面白くて怖さが軽減される)

 

話を戻すと、そうやってストーカーの本家を読んだり、研究書を読んだりしていると「吸血鬼モノ」って奥が深いことに気付き、面白いやんってなってたので、発表終わってからも研究書みたいなのはちょくちょく読んでたので、今回見つけた本も読んでみよってなったのでした。

 

めちゃくちゃ長い前書き終わり。まじで毎度だけど書きたいこと多すぎて本題までいかねぇぇ!

以下、1番印象に残ったことを書く。

コピーの恐怖

吸血鬼といったら相手の血を吸うことで相手をも吸血鬼にしてしまうという大きな特徴がある。

これって当たり前のことに思いすぎてあんまり気にしたことなかったんだけど、この本ではやっぱりそれこそが恐ろしいところだと注目している。

 

人間の場合、種を増やすには生殖行為を行うが、吸血鬼は「相手の血を吸う」という比較的簡単な行為で増殖が可能である。された方がまた他の人間を襲って…という方式でどんどん増やすことができる。

その増殖・繁殖行為について「感染症」という見方でも見れるという面白いことも書いてあったが、それは置いておいて、興味深かったのはそうやって簡単に増殖はできるがオリジナルを完璧にコピーするというわけではないということ。ちょっと長いが面白いと思った本文を引用する。

 

女吸血鬼やルーシーは、伯爵の機械的な模倣でしかない。

オリジナルとなるドラキュラ伯爵を育てたのは、トランシルヴァニアの風土でありオスマン帝国と戦った過去の歴史だった。 (中略)

ところが、女吸血鬼やルーシーは伯爵の行為を表面的に反復しているだけで、セーケイ人の過去やトランシルヴァニアの独立の維持といった「大義」とは関係ない。

行為が他人に「転写(transcription)したときには、オリジナルの意味合いや歴史的背景が消えてしまう吸血行為は模倣できても、そこには伯爵が持つ憤りや自負は欠けているのだ。(169-170頁より)

 

これを読んでははーん成程…!!というきもちでした。さらにこのことをテロリズムと関連させていて、伯爵が毒牙にかけようとしたロンドンが大都会であり、都会の「無関心」こそがテロリストを生むという話に『ドラキュラ』を結び付けていてめちゃくちゃ面白かったです。

確かにテロリストとか革命者で初めに行動起こそうって思ってた人は「大義」や志があるんだけど、それに続く人たちは案外そんな大義など持ってなくてただ破壊活動のみコピーしていることってよくあるよなっておもいまちた…

 

他にも面白いこと書いてたのでまじで吸血鬼モノに興味ある人にはぜひ読んでほしい一冊!決定版だと思う。

 

あと、どうでもいいことなんだけど読みながらすげー思ったことは、「ジョジョの奇妙な冒険」の一部主人公・ジョナサン・ジョースターの名前は、「ドラキュラ」の主人公ジョナサンから取られてるのかな…??そう考えるとヒロインのエリナも「ドラキュラ」のミーナとちょこっと名前似てるし…舞台はイギリスも同じで人間やめるディオ様は吸血鬼になるし、彼の名はDioで「D」が共通してるし…

というような細かい類似点考えてた(笑)

おわり!