私は女の子同士の強い関係…いわゆる百合というものを偏愛するオタクである。
Wikipediaによると百合というのは
語源は1970年代、男性同性愛者向けの雑誌『薔薇族』編集長の伊藤文學が、男性同性愛者を指す薔薇族の対義語として、百合族という言葉を提唱したことによる
ということのようだ。女性の同性愛を指す言葉で広義・狭義どちらにおいても「百合」と呼ばれる。
私はその百合が好きなオタクのひとりだが、厳密に言うと女性の同性愛を好むというわけではなく、「女の子同士の友情以上の強い関係」に萌えるのである。
これは本来の百合好きとは外れるかもしれないが、ここではそんな関係性も「百合」と呼ぶことにし、私の独断と偏見による好きな百合について語っていこうと思う。
好きなテーマであるので何回かに渡って百合カップルについて述べるブログを書きたいなと現在画策中である。
初回は渡辺 曜と高海 千歌のふたりについて語っていく。
彼女たちはアニメ、「ラブライブ!サンシャイン!!」に登場するメインキャラクターである。
僭越ながら私の所持するクリアファイルの写真を載せさせてもらった。
彼女たちは浦の星女学院に通う高校2年生である。ふたりは幼馴染で仲が良く、お互いを
「千歌ちゃん」「曜ちゃん」
と呼び合う仲だ。スクールアイドルを始めることを決意した千歌が最初に仲間に誘うのは曜だ。
ふたりから、後のスクールアイドル・Aqours(アクア)は誕生する。
このふたり―通称ようちか を知るにはまず、以下の7分弱の動画を見てもらいたい。
これを見るだけで、大体ふたりの関係性が予測できるという驚異のMV、Aqoursの2ndシングル「恋になりたいAQUARIUM(以下恋アク)」だ。
ご覧いただけただろうか。
そう、このMVでは曜→千歌にかける想い、そして曜ちゃんから梨子ちゃんへの嫉妬が7分弱の中で描かれるという全オタクが沸いたラブライブ!シリーズでも前代未聞なMVだ。*1
私はこのふたり、というかこの組み合わせが大好きで、セットで購入してしまうことが多い。
かわいいなhshsこんな感じ。
改めて、私はなぜ「ようちか」が好きなのか、真剣に考えてみた。その結果を今回まとめてみたいと思う。お付き合いいただけると嬉しい。
目次
幼馴染~いちばん近くていちばん遠い~
先ほども述べた通り、ようちかのふたりは幼馴染だ。16年間ずっと一緒で隣でお互いをみてきた。
アニメのオフィシャルブックでは監督から
「お互いに一番近い存在」
だと明記されている。
16年もの幼馴染、そして互いに一番近いとの設定がありながら、彼女たちは自分の本音を伝えあえる関係ではない。
これはアニメをみるとよく分かる。
先にもちらっと書いた恋アクMVに登場した赤く長い髪をした梨子ちゃん。彼女は東京から引っ越してきたシティーガール*2でピアノが得意なため、グループでは作曲を担当している。
しかも彼女の引っ越し先は千歌の隣の家であり、千歌と梨子は一気に距離を縮めていく。
アニメ1期の前半は主にこの2人が仲を深めていくお話といってもいい。
そんな、どんどん距離を縮めていく2人を複雑そうに見守っているのが曜だ。
しかし、そんな複雑な思いを千歌には決して見せない。
曜は、千歌の中で梨子の存在がどんどん大きくなっていることを感じているが、それを千歌にも誰にも言えずにいた所、その様子に気付いた先輩の鞠莉と二人きりで話すシーンがある。
ここで初めて曜は自分の思いを鞠莉に吐露する。彼女が思いを伝える相手は「一番近い」千歌ではないのだ。
千歌とスクールアイドルを始めることになったが、すぐ梨子が加わり、二人の仲が深まっていったことにより、曜は「千歌ちゃん、私とふたりじゃ嫌だったのかなって」と本音をこぼす。
幼い頃から一緒に過ごしてきたふたりだったが、ふたりで一緒に何かをするということは今までなかった。だから、曜は千歌とスクールアイドルが始められて嬉しかったが、千歌はそうではなかったんじゃないかと落ち込んでいたのだ。
曜と千歌はお互いのことを一番近い存在だと感じているからこそ、踏み込めない部分があったのだと視聴者にも明かされる。
こうなるとお互いを「ちゃん」付けで呼び合うのも今までと違う見方ができる。
このふたりは、誰にでも「ちゃん」を付けて呼ぶ性格というのもあるが、そうなると余計に互いとそれ以外のメンバーとの差別化がない。互いを「一番近い」としていながらなんとなく距離があることのあらわれではないだろうか?
この後、梨子からの電話によって曜は、千歌がいままで曜からの一緒に何かしようという誘い(部活など)を断ってきたことをずっと気にしていたこと、だからスクールアイドルだけは曜と一緒にやりたいのだと千歌が話していたことを知る。
ここでは千歌も自らの思いを当の本人である曜ではなく梨子に話しているということが分かる。
このようにふたりは幼馴染ではあるが、何でも言い合える関係ではないのだ。
ここで私が萌えるのは、「幼馴染」という昔から一緒でお互いのことを何でも知っているような関係性のふたりであるのに、実は案外お互い踏み込めない部分があり遠慮しているということだ。従来の幼馴染の関係性とは異なる描かれ方をされており、恋愛漫画では幼馴染は負けフラグだとも言われる雰囲気を壊そうとしているのではないか?とも推測できる。
先の回ではその後、曜の家に千歌が自転車を必死に漕いでやってきて、現状に感じていることを伝える。それを聞いて曜が千歌を押し倒し泣きながら抱きしめる。
泣いている曜に対し千歌はその理由をきかない。ただ、曜を受けとめ笑顔で向き合って終わる。
「お互いにいちばん近い」存在だからこその関係性がよく表れたエピソードである。ぜひ視聴して頂きたい(宣伝)
「隣にいるのが当たり前」なふたり
先ほど載せた恋アクのMVでも前章で紹介したエピソードでも曜→千歌への思いは描かれているけど、千歌ちゃんはどうなの??って思った方、私もそう思ったよ!!!
ので、この章では千歌ちゃんは何を考えているのか考察していきつつようちかの魅力を考える。
なぜだかアニメでは千歌ちゃん→曜ちゃんへの思いが千歌ちゃん視点を通して語られることがない。先ほどのエピソードも曜への思いは梨子の口を通じて曜に伝わった。こんなの絶対おかしいよ…
だから、私はこんな仮説を立てた。
「千歌ちゃんは曜ちゃんが隣にいるのを(良い意味で)当たり前だと思っている」
これを2つのシーンを見ながら考える。
まず1つ目。劇場版でのあるシーンだ。
別高校に通う、曜の同い年の従姉妹である月が同じ高校に行こうと曜を誘ったときに
「千歌ちゃんと一緒がいいから(浦の星女学院に行く)」
と断ったというエピソードが語られる。
曜の家から近いのは月の通う高校だ。対して千歌は浦の星女学院に近い。千歌が浦の星女学院に決めるのは当然として、曜が選んだのは千歌と一緒にいれる高校だった。
注目はこの後である。上記を千歌たちの前で月にばらされた時、照れる様子を見せた曜に対し、千歌はにっこり微笑んだだけだった。
千歌は元気っ子で普段からおっとり微笑み佇むような性格ではない。ここでも、曜といっしょに照れる反応をみせるかと思いきや微笑んで何も言わなかった。
ここから推測されるに、千歌のなかできっと曜が一緒というのは崩れない事実としてあるのだろうということだ。「曜が隣にいるのは当たり前」だと思っている。だから、月からその事実を聞いたところで動揺しなかった、という説を推している。
もし仮に曜が違う高校を選択していたら(ないことだが)、千歌も同じところを選んだだろう。そう思えるくらい自然な微笑みだった。
2つ目。恋アクMVでの千歌の行動・態度だ。
曜がいなくなったことで一番動揺していたのは誰であろう千歌だ。必死に曜を探し、見つからないことで一番落ち込んでいたのも千歌だ。
それくらい千歌の中で曜の存在は大きいのだ。しょっぱな梨子と仲良さげに話す千歌には、「大好きな曜ちゃんを嫉妬させよう」なんて思いはもちろんない。嫉妬させようなんて思いもよらないほど千歌は曜のことが大切で、それほど曜は隣にいるのが当たり前な存在なのだ。
以上の2点から千歌は千歌なりに曜のことを大切に考えていると私は思う。寧ろ、曜より千歌の方が曜を思う気持ちは強いかもしれない。曜が隣にいることを自明の理だと思っているから、曜のように誰かに嫉妬すらしない。だって曜ちゃんがいるのは当たり前だから。
そう考えるとようちかの関係性は表面的には曜→→←千歌だが
曜→→←←←←←←千歌でないだろうか!!え、めちゃくちゃ萌えない????
まとめ
ここまで長々と語ってきた。驚きの字数3600字超え
まとめる。ようちかの魅力とは
・幼馴染でありながら、お互いに踏み込めない・遠慮している部分がある。しかし、それはお互いを思いやっていないわけではなく、寧ろ思い合っており、一番近い存在だからこそ。
・曜→千歌に見えて実際は曜←←←千歌と言えるくらいの関係性であること。
の2点が大きいであろう。スクールアイドルを通して曜と千歌は初めて同じ場所に立て、同じ景色がみられたのだ。
色相環において、オレンジと青は補色の関係である。ふたりのイメージカラーはオレンジと青だ。「互いの色を最も目立たせる色の組み合わせ」であるオレンジと青。
ようちかはふたりそろってこそ互いが際立つ。もうこれはようちかしか勝たんというやつじゃないだろうか?
おわり
*1:「嫉妬」が明確に描かれたことはシリーズ通してなかった
*2:ラブライブ!サンシャイン!!の舞台は静岡県沼津市